スーパーを経営しているA社の事例です。
A社の就業規則には、「退職金は、5年以上継続して勤務した者に支給する」となっていますが、従業員の区分や、その適用範囲についての記載はありませんでした。A者の従業員数は、正社員5名、パート社員30名で、パート社員の平均勤続年数は1年くらいです。
パート社員のBさんは、勤続年数6年で、今月で退職することになりました。A社の退職金の支給要件は、先ほど述べたように継続勤務年数のみであったため、Bさんは会社に退職金の申請をしました。
するとA社の社長は、「パート社員には、退職金の適用はない」とBさんの申請を突っぱねたのです。納得のいかないBさんは、後日、労働基準監督署に事情を伝えました。
すぐに、労働基準監督署からA社に電話があり、事情を聞きたいのですべての就業規則を持って出頭するように言われました。
A社の社長は、労働基準監督署に出頭し、監督官に就業規則を見せました。すると監督官は、「パートタイマーの就業規則も見せてください」と言ってきました。社長には、その意味が分かりませんでしたが、実際に就業規則はそれしか無かったため、「これ以外には、ありません」と答えました。
それを聞き、監督官は、「では、Bさんに対してもこの通りに実行する必要がありますので、Bさんには退職金を支払ってください」と社長に伝えました。社長は、納得していませんでしたが、これ以上長引かせたくないと思い、「分かりました」と答えました。
|