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事例1
今までパート社員に対しては、退職金を支給していなかったが、突然請求されて、結局、支払うはめに・・・

スーパーを経営しているA社の事例です。
  A社の就業規則には、「退職金は、5年以上継続して勤務した者に支給する」となっていますが、従業員の区分や、その適用範囲についての記載はありませんでした。A者の従業員数は、正社員5名、パート社員30名で、パート社員の平均勤続年数は1年くらいです。
  パート社員のBさんは、勤続年数6年で、今月で退職することになりました。A社の退職金の支給要件は、先ほど述べたように継続勤務年数のみであったため、Bさんは会社に退職金の申請をしました。
  するとA社の社長は、「パート社員には、退職金の適用はない」とBさんの申請を突っぱねたのです。納得のいかないBさんは、後日、労働基準監督署に事情を伝えました。
  すぐに、労働基準監督署からA社に電話があり、事情を聞きたいのですべての就業規則を持って出頭するように言われました。
  A社の社長は、労働基準監督署に出頭し、監督官に就業規則を見せました。すると監督官は、「パートタイマーの就業規則も見せてください」と言ってきました。社長には、その意味が分かりませんでしたが、実際に就業規則はそれしか無かったため、「これ以外には、ありません」と答えました。
  それを聞き、監督官は、「では、Bさんに対してもこの通りに実行する必要がありますので、Bさんには退職金を支払ってください」と社長に伝えました。社長は、納得していませんでしたが、これ以上長引かせたくないと思い、「分かりました」と答えました。



ポイント
  A社就業規則の第○条(適用範囲)には、「この規則は、第○章の規程により採用された従業員に適用する。」となっていますが、従業員の区分についての記述はありませんでした。
  つまり、このほかに就業規則が無ければ、すべての従業員にこの就業規則を適用しなければならなくなるのです。
  今後の対策としては、まず、現在の就業規則を改定しなければなりません。適用範囲の条文に「ただし、本規則は正社員のみに適用し、パートタイマーの就業に関する規則は、別に定めるパートタイマー就業規則を適用する」と付け加えます。その上で、新たにパートタイマー就業規則を作成します。もちろん、このパートタイマー就業規則は、自社の現状に即した形で作成することが重要です。そして、この2つの就業規則を労働基準監督署へ届出ます。

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